羅生門は、標高40m前後の草間台のドリーネにできた石灰岩の巨大なアーチです。第1門から第4門までアーチがつながり、末端は羅生門第1洞と呼ばれる吸い込み穴となります。古い鍾乳洞が崩落し、一部分が残存してアーチとなった鍾乳洞の最後の姿です。
チョウジガマズミ・ヤマトレンギョウなどの石灰岩植物だけでなく、洞口から吹き出す低温多湿な自然状態から、高山性や北方系の貴重な蘚苔類や地衣類が隔離分布しています。蘚苔類では、サガリヒツジゴケ・イギイチョウゴケ・セイナンヒラゴケ、昆虫ではガロアムシなどの洞穴昆虫が生息しており、7月初めになるとドリーネ内外で黄金色の光を点滅させるヒメボタルが見られます。
また、夏期はモヤや冷気を感じることができ、まさに「羅生門」の名にふさわしい光景を見ることができます。