真備町の中心部を西から東に流れる小田川に向かって突出する標高43mの丘陵上に、黒宮大塚は所在しています。昭和52(1977)年に、倉敷考古館によって発掘調査が行われました。
墳頂部のやや北西よりで竪穴式石室1基が確認され、床面に敷かれた円礫上には朱が薄く認められ、中軸部が窪んでいることから、
出土した土器類から、弥生時代後半の築造と考えられます。本遺跡は、古墳成立にいたる過程を研究する上で欠くことのできない遺跡であり、その時期に吉備地方で成立した首長墓への特殊な土器の供献状況を示す墳墓として大いに注目されています。