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黒宮大塚くろみやおおつか

 真備町の中心部を西から東に流れる小田川に向かって突出する標高43mの丘陵上に、黒宮大塚は所在しています。昭和52(1977)年に、倉敷考古館によって発掘調査が行われました。
 墳頂部のやや北西よりで竪穴式石室1基が確認され、床面に敷かれた円礫上には朱が薄く認められ、中軸部が窪んでいることから、割竹形木棺わりたけがたもっかんが置かれ、石室には蓋石はなく、本来は木蓋が用いられていたと推定されています。副葬品としては勾玉1点、管玉1点が検出されたのみですが、石室の上方からは墓へ供えられた特殊とくしゅ壷形つぼがた土器どき器台きだい台付壷だいつきつぼ高坏たかつきなどの土器類80個体以上が出土しました。
 出土した土器類から、弥生時代後半の築造と考えられます。本遺跡は、古墳成立にいたる過程を研究する上で欠くことのできない遺跡であり、その時期に吉備地方で成立した首長墓への特殊な土器の供献状況を示す墳墓として大いに注目されています。

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