下津井は、児島半島南端の古い港町です。江戸時代を通じて商港・漁港として、また金毘羅往来の発着港として栄えました。その町並みにはいくつもの井戸が点在し、なかには複数の家で使用する共同井戸も見られます。
これらの共同井戸では井戸ごとに使う家がきまっており、その管理も使用する家々が厳しく行っていました。これらの井戸は、江戸時代以降、下津井に暮らす人々の飲料水の供給源でした。また、港へ寄港する船に供給されたり酒造りにも使用されたりしました。
人々の生活を長い間にわたって支えてきたこの共同井戸群は、かつての下津井の繁栄を今に伝える記念碑ということができるでしょう。