笠岡市甲弩、尾坂川右岸にあたる岡田地区の集落の中に、ひときわ大きな落葉樹があります。ちょうど岡田橋の付近から東を見ると、民家の上に覆い被さるように見えるこの巨樹が、浅尾家の敷地内にあるムクノキです。幹の周囲4.6m、根元周囲7.3m、高さ約28m、推定樹齢約400~500年で、地上10mのあたりから二又に分かれています。 家伝によれば、昔、戦に敗れた浅野矢あさのや太夫たゆうが、弓引きの名人と内膳頭ないぜんがしらの2人を連れて落ち延び、たどりついた荒神の森を切り開いて屋敷を構えたといい、この時城中で祀っていた守り本尊の「ダサー様」を椋の樹の下に祠を建てて祀ったといわれています。