エヒメアヤメは、アヤメ科アヤメ属に属し、本名をタレユエソウともいう可憐な植物です。低山に生える多年草で、春になると紫色の花をつけます。花期は短く、一週間ぐらいで花が枯れます。 草丈は10~30cmと可愛らしく、明治30年に愛媛県で確認されたためにこの名がつきました。その後、西日本の各地で自生地が発見され、現在では、愛媛県・広島県・山口県・佐賀県・宮崎県の自生地が国指定天然記念物となっています。 市内では、かつては吉田のほか篠坂しのさか・小平井おびらい・今立いまだて・走出はしりで・阿部山あべさん等に自生していたそうですが、今ではその多くは確認できなくなっています。現在確認されている範囲では、当地域が日本で最も東の自生地、すなわち、世界においても東限地帯ということになるため、学術的に見ても貴重な自生地といえます。