本荘八幡宮は、大宝元(701)年に建てられたと伝えられている古い神社で、水島灘を見渡す宮山の上にあります。 石鳥居は神社の境内に入る出入口として立てられるのが普通であり、この鳥居も元は三ノ鳥居として社前の参道に立っていました。その後、保存のために社殿の裏、瑞みず垣がきの中に移され現在に至っています。 鳥居は本来簡単な構造ですが、わずかな形態の差異によって様々に分類されています。2本の柱の上にのせる横木を笠木、柱の途中を結合するものを貫ぬきと呼び、笠木の下に島木を入れ、島木と貫の間に額がく束づかを挟んだ形式を明みょう神じん鳥とり居いといいます。 八幡宮のこの鳥居は、高さ2.3m、 花崗岩製の明神鳥居で、笠木と島木は一石で作られ穏やかな真しん反ぞりを示しています。向かって左柱に「応永廿八年辛丑(1421)十一月吉日」、右柱に 「願主塩しお生なす村住人松井紀義泰辰生年三十二二(「二二」は「四」の意)」の刻銘があり、室町時代初期の様式を典型的に示しており、全国における当代石鳥居の基準作として知られています。