貞観元(859)年 の開基と伝えられる宝島寺は、
慶長年間(1596~1614)に火災にあいますが、この仁王門は、そのとき、難をのがれた唯一の建物として今日まで伝えられているものです。
桁行三間、梁間二間の欅の円柱を用いた三間一戸の八脚門で、屋根は切妻造、本瓦葺となっています。また、左右に脇間のある様式で、両脇間は前後にわかれ、仁王像は後室に祀られています。
昭和58(1983)年度に保存修理が行われ、鮮やかな丹塗りの建物に復元されましたが、屋根瓦や妻の部分などの細部には装飾がほとんどみられず、全体的には簡素な造りとなっています。
また創建年代については室町時代中期頃と推定されていますが、この保存修理の際に発見された墨書から、享保4(1717)年に大修理が行われたこともわかりました。