赤羽根イナリ古墳は落合町阿部にあり、平成14(2002)年に宅地造成中に発見され、直径14mほどの円墳と確認されました。発掘調査によって、この墳丘の裾部を巡るように石列を検出しており、葺石と考えられます。葺石が墳丘全体に葺かれていたかは不明です。
墳丘からは、5基の箱式石棺を検出しており、うち2棺からは、床に川原石を敷き詰め、石枕をして寝かされた人骨が出土しました。人骨には全体に赤色顔料が施されていました。築造時期は4世紀から5世紀の頃と考えられます。墳丘上に5棺もの埋葬施設を持つ古墳は珍しいものです。
周囲には赤羽根古墳群が知られており、過去の調査において箱式石棺が数多く発見され、人骨も出土しています。