「渡り拍子」は、岡山県西部一帯、広島県東部に秋祭りの供奉楽として伝承され、現在、備中町をはじめ、市内各地で行われています。
伝承によると、鎌倉・室町時代の闘鶏楽が起源であるとされます。また、神功皇后が三韓征伐から凱旋した時の道中楽であるとか、朝鮮から来た使者の道中楽であるといった諸説があります。
「渡り拍子」の系統を頭にかぶる衣装で分けると、尾長鶏の羽をふんだんに使った赤熊と呼ばれる「鳥毛の渡り拍子」と造花を頭の上に飾り付けた「花笠の渡り拍子」の2つに分けられ、鳥毛、花笠どちらも胴丸の太鼓に跳び子が、4人1組で打鉦に合わせて太鼓を叩きながらいろいろな所作をします。
なお、この種の「渡り拍子」は、かつては備中各地の秋祭りでもみられていたものです。