「酒造献供」は、船川八幡宮秋季大祭のひと月前から同宮酒造殿で行われます。本神事は、毎年9月上旬に神社及び酒造関係者による神事の後、麹・蒸し米で酒母づくりを行い、同月中旬の初添えに続いて一連の仕込み作業を行い、同月下旬に仕込止めをします。仕込止めの当日は、宮司・杜氏・酒造管理者らによる神事の後、酒造殿の仕込み樽に麹・蒸し米・硬水を入れて仕込みます。こうして出来上がったアルコール分17度から18度の濁酒245リットルは、10月初旬に税務署の検定を受け、同月14日の宵宮祭、15日の大祭当日に神前に供えられ、大祭に参加した氏子(参加者)たちに神酒としてふるまわれます。
400年の伝承を持つこの種の行事は、全国で10社ほどです。中国地方では、出雲大社と船川八幡宮の2社だけといわれており、他ではあまり見ることができない行事です。