院記によると、かつて、この地には、西岡山西安寺という大寺があり12カ院を擁して栄えたが、大火によって一山の堂塔を焼失したと伝えられています。元和元(1615)年に勢誉法印により再興され、元禄12(1699)年には名を行願院と改め、本寺の地所へ移築したとされ、現在は2カ院が残っています。
この仁王門は、桁行三間、梁間二間の欅の円柱を用いた三間一戸の八脚門の建物で、屋根は切妻造、本瓦葺となっています。また左右に脇間のある様式で、両脇間は前後にわかれ、仁王像は後室に祀られています。
昭和52年度に行われた保存修理の際に墨書が発見され、慶安元年~4(1648~51)年 にかけて建造されたことがわかり、またこの保存修理に伴い、本堂南方の現在の位置に移されました。