中世、新見庄時代、名主が寄り集まって氏神をまつり、心のよりどころにし、団結と権威を示したのが「宮座」の興りです。氷室・亀尾の2社の宮座は、中世の形そのままの儀式が行われています。各名域内に耕作田を持つ家は、その名の寄子として祭礼に奉仕していましたが、現在は、地区単位で祭礼に参加しています。
「宮座」は、神様の接待役で、宮司と井上・長久・下市場の3家が務めます。本座は、横座ともいい、6人の名主の席で鈎形に座り、給仕人は寄子が務めます。
倉嶋神社では、毎年旧暦の9月19日に輪番の当屋により神社の拝殿で行われています。宮座は、宮株16名で構成され、谷宗名3名・瀬実名3名・大城名3名・森永名3名・稲倉名4名の5つの名がそれぞれ決まった座につきます。本殿と向かい合った本座が権力があるとされ、世襲の座頭(谷宗名)がその中央に座ります。また、ナカ座には宮株以外の客人などが座ります。儀式は、まず座頭が一言を述べると、一同は、「おめでとうございます。」と答えて、酌取りのついだ神酒を3献飲みます。以下、カキアイの御礼・サヤマメの御礼・ボウルイの御礼と続き、その度毎に神酒を飲みます。さらに御飯の御礼があり、この間に新旧当屋の受け渡しを本殿前の弊殿で行います。1杯3杯の御礼があり、最後に当渡しのあいさつをして御供の餅を配って散会となります。