今から300年前、江戸時代中期、新本地域を治めていた岡田藩は、山への立ち入りを禁止しました。そこで、松森六蔵・荒木甚右衛門・森脇喜惣治・川村仁右衛門の4人が、藩主の元へ陳情に行きました。当時、直訴をすれば処刑されることを、4人は分かっていましたが、村人たちを守るため直訴し、命と引き換えに山を取り戻しました。その後、村人たちを救った4人を称え、4人の霊を弔う「義民祭」が始まりました。新本小学校の裏山にある義民社では、慰霊法要が営まれ、法要には、地元関係者や義民の子孫等が出席し、法と葬状の後、玉串を捧げ4人の霊を慰めます。新本小学校では、義民祭の歴史や4人衆の思いを理解しようと、2000年から「オペレッタ義民さま」を上演しています。
日が暮れて、運動場では義民4人を弔う供養踊りが行われています。子どもからお年寄りまで大勢の地域住民が参加し4人の霊を弔っています。夜遅くまで太鼓の音が鳴り響き、地域の人たちは、義民をしのんで踊り続けます。新本地区を守った義民4人の思いは、今も住民たちの心に受け継がれています。