臥牛亭は、備中松山藩主板倉勝静が御根小屋の一隅に建てた小亭(12.4㎡)です。勝静は、農耕の神を祀って五穀豊穣を祈り、時には自ら畑を耕して農民の労苦を偲び、眼下に広がる城下の町並みを眺めて、領民に思いを馳せたと伝えられています。明治6(1873)年の廃城令により、旧藩時代の建造物は全て撤去されるなか、山田方谷の計らいでこの亭は、対岸の蓮華寺境内に移築されました。旧主勝静を敬慕して、長くその遺徳を偲ぶものとして移築したとその碑銘にあります。
後年、崖崩れにより亭が傾いたので、八重籬神社境内に再度移築され、今日に至っています。平成22(2010)年に保存修理を行いました。