貴布禰神社は、京都の貴船神社の祭神を元禄年間に分祀したと伝えられ、代々、備中庭瀬藩板倉摂津守の代々の祈願所でした。戦中は、兵士の無事を祈願していました。現在は、病気回復を祈願しています。
「貴布禰神社の夏祭り」は、総代を中心に地域住民が集まって、茅を束ねて輪を作り、その輪を潜り無病息災を祈りました。起源は、素戔嗚尊が「もし悪病が流行した時、茅で輪を作り、これをつけていれば災難を逃れられる。」とお告げをした『備後風土記』の故事にちなんでいます。祭りは、旧暦の6月30日に行われていましたが、現在は8月第1土曜日に行われています。
福頼様(矢掛町横谷)、道通様(浅口市寄島)と合わせて、備中の3大祈願所の一つです。江戸時代から岡山方面にも信者があり栄えておりました。道標も建てられ、祭りには露店も多く出店され、にぎわっていました。
現在は、地域住民や子ども会が中心となって、夕方から「茅の輪くぐり」、子ども相撲の奉納をしています。その後、盆踊りをして、夏の夜を楽しんでいます。また、地域住民の手で露店が出され子どもたちの楽しみとなっています。