













「鴻八幡宮の秋祭り」は、倉敷市児島の琴浦地区最大の祭りです。土曜日は、氏子が上の町、下の町、田の口を各地区の「だんじり」を引っ張って回ります。日曜日は、鴻八幡宮の神輿が地区内を巡行します。各地区の17台の「だんじり」と1基の千歳楽は、参道を登り、境内に集まります。そして、境内で「祭りばやし(しゃぎり)」の奉納、競演が行われ、祭りの幕が降ろされます。
「しゃぎり」とは、鴻八幡宮に伝えられる祭りばやしであり、「だんじり」の進行、停止等の動きに合わせて演奏されます。楽器は、篠笛・胴長太鼓・締太鼓・鐘・鼓が用いられ、「だんぎれ囃子」「信楽囃子」「祇園囃子」「おやじ(あがりは)」「神楽囃子」「下りは囃子」「おひゃりこ囃子」の7曲は県の重要無形民俗文化財に指定されています。
「しゃぎり」は、各地区でさまざまな特徴がありますが、笛は大人が吹いて、胴長太鼓、締太鼓・鐘・鼓を子どもたちが受け持つ形で演奏され、祭りが近づくと曲の練習が始められます。こうして後継者の育成を図りながら、次の世代への継承がなされています。
「だんじり」が「しゃぎり」の演奏とともに、急な坂道である参道(約70m)を3~400人の氏子によって引き上げられながら登って行く姿は壮観で、ほかではあまり見られない祭り行事です。